心はいらない、体だけ借りたい。胸の内で呟きながら、十一歳年下の美しい男と情事を交わす、四十六歳の澄礼。相手の中に過去の自分の姿を見たとき、思いは別れの形へと向かう。ひとかけらも、心のこりがあってはいけない―。誰の胸にもある、やり残した過去への複雑な感情。現代女性の心模様と癒しを繊細に描いた中篇三作。著:藤堂志津子サイズ:15.2×10.7×1cm文庫本